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感情六号線

楽しいまま死んじゃおう。

about eve

現在を肯定して、過去も肯定した彼らが次に肯定するものは。

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2016.06.18

oneman tour 2016 “about eve”

cinema staff

Zepp DiverCity Tokyo

 

「eve」というアルバムは全体的に優しい。

あぁ、cinema staff落ち着いちまったな...。って思う人もいたと思う。

 

ただ、よく聴くと演奏の複雑さは相変わらずで、そこに乗る優しいメロディのバランスはまるで街の喧騒と人々の暮らしのようにも感じる。

 

すなわち日常そのものである。

 

希望の残骸

theme of us

切り札

exp

lost/stand/alone

世紀の発見

ニトロ

person on the planet

crysis maniac

第12感

エイプリルフール

somehow

AIMAI VISION

想像力

deadman

西南西の虹

GATE

YOUR SONG

(underground)

overground

 

(ENCORE)

AMK HOLLIC

優しくしないで

 

(ENCORE 2)

eve(三島弾き語り)

Poltergeist

 

アンコールで三島がこんなことを言っていました。

 

このとき併せて「自身への愛とか、」って言っていたのがとてもうれしくて。

自分の作る音楽で誰かが救われて、愛してくれることで、自分のことを愛せるようになったことがとても喜ばしかった。

 

彼らがというか三島が自身のことを肯定出来るようになるまで10年。

 

バンドを始めた頃に思い描いていた未来を歌った「AIMAI VISION」と、その間の悩みや苦しみや葛藤の出口となった「YOUR SONG」が並んでいるというのがこのアルバムの全てだと思う。

 

そうだったらいいなって

こうだったらいいなってね

僕は毎晩そういう感じなんだ

 

何も無くなっても、

答えが見つからなくても、

そこにあなたが居さえすれば、

何処にだって道は続いていて、

何処にだってふるさとはあるよ。

そこには言葉があって、未来があって、心があるんだ。

 

理想と現実に違いにぶちのめされて、立ち上がって、またぶちのめされて。

 

数年前に絶賛ぶちのめされてどん底の精神状態でリリースされた「SALVAGE YOU」というアルバムのツアーファイナルで「今日はあなたたちをサルベージ(救出)するためにやってきました。」と死んだような目で虚勢を張っていた彼らに救われる人がいて、誰かを救うことによって彼らが救われたというのも事実で。

かくいうわたしもその頃のcinema staffに救われた人間です。

 

結果、救われた彼らは現在を肯定できて、その過程である過去も肯定できたわけです。

 

でも彼らはそれだけで終わらないんですね。

アルバムの最後を飾る「overground」という楽曲なんですけども。

 

あの日のままの僕なのに、

月日が流れ、歳を取る。

どんな景色やどんな感触が僕を待つのだろう?

 

10年前の自分に会えるとしたらきみは何を言ってあげたい?

10年後の自分に会えるとしたら僕は何を聴きたいのだろう。

10年に間に何が変わっちまって何が変わってないんだろう。

そうやって日々の在処を探して少しずつ進むのだろう。

 

歳をとった僕等はきっと凄く美しい。

歳をとった僕等はきっと凄く楽しいよ。

 

現在と過去の肯定では足らず、ついには未来まで肯定してしまったんです。

cinema staffが自分たちを肯定してしまったら、あとは終わるだけなんじゃないかと思っていたわたしは泣いた。うれしくて泣いた。

 

というわけで、本編ラストは顔面がグチャグチャでした...。

 

無理せず自然体で(ここが大事)、10年先の未来まで描いてくれたことがうれしかった。

 

わたしは彼らの10年後が見たいし、10年後に「overground」を聴きたい。

その時こそ、「eve」が本当に評価される瞬間なんじゃないかって思っている。

 

きっとこの先もまたなにかにぶちのめされることもあるでしょう。

なにかに迷うこともあると思います。

でも、わたしたちは美しくて楽しい10年後を一緒に目指すのです。

 

彼らの青春の延長戦をまだまだこっそり覗き見させてもらうのです。